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2011年1月23日 (日)

「愛国消費~欲しいのは日本文化と日本への誇り~」という本

 「下流社会」という本がベストセラーになったことがあって、その著者が三浦展という人物だ、ということも、この本を読んで知る位、あまり興味の範疇に入らない人だった。


 この本を手に取ってみたのは、「愛国消費」の愛国の文字と「景気回復の鍵は「ニッポン」だ!」という帯にある「ニッポン」の文字だと言ってしまえば、何とまあ、単純なと言われても仕方がない。


 実は、表紙を見てというのが本当のところなのだが。笑顔の女性がベンチに座っていて、その頭の上に「欲しいのは日本文化と日本への誇り」とある。


 それで、読んでみた。


 さまざまなデータや統計を駆使しての分析から積み上げていく論考は面白い。


 「日本人としてのアイデンティティや誇り」が求められる時代を今迎えているということなのだが、その過程分析はなるほどとうなづかせられる。


 高度成長期のめざせ「経済大国」という「大きな物語」の時代が終わり、「経済大国」という現実の中で、いかに一人ひとりが生きていくのかという「自分らしさ」探しの時代に移行した1970年代(昭和45年~)。そこからけっきょく「自分らしさ」というものがわからずに、マニュアル化に走っていったのが80年代(昭和55年~)。ところがマニュアル通りに生きるのはしんどいので、本当の「自分さがし」が始まったのが90年代(平成2年~)、という時代の流れを描いてみせる。


 なるほど、と思う。

 面白いな、と思った指摘は「海外高級ブランドには日本人としての「誇り」は持てない」というものだ。

 自分らしさがわからず「海外高級ブランド」を身につけることでそれを担保しようとするのだが、いくら高級ブランドを買っても誰からも「感謝されない」という問題にぶつかる。

 そして、「人は、個性化、多様化と言いながら、他方では画一化、同質化を求めているのである。特に現在のように、不況が長期化し、先行きが不透明になると、人はより画一的な格好をして、不安を解消しようとするのではないだろうか。」個性的に画一化している「流行」の格好をする人々を見ているような感じがする。たしかにどこか不安な気配が漂っている。つづいて「では、多くの日本人が安心して同一化でき、かつ自分らしさも否定しないですむものは何か。それは「日本」なのだ。ここに、「自分さがし」が「日本志向」に反転する理由がある。」との指摘は成るほどと思わせられる。

 まとめて「近年の和風傾向、日本志向的な現象が、日本人が今「日本」という大きな物語を欲しているために生まれているということ、その「日本探し」の潮流が、過去40年ほどの間の「自分探し」との関わりで生まれているということ、そして、近年のグローバリゼーションによる日本の社会、企業の流動化が、日本人にふたたび「日本」という永続的な価値、誇り、正統性を求めさせていることを述べた」としている。


「手段的」「自己拡張的」日本志向から、「自己充足的」「自己肯定的」日本志向へ、という指摘もなるほどとうなづかせられる。


 「愛国」がトレンドになる。

 今やそうした時代を迎えている。

 しかし、それは単に旧態依然としたものの復活ではない。

 日本という大きな物語と、日本人であるというアイデンティティと、自分という個性が一つに貫かれて生きることの肯定ではないだろうか。

 しかし、どうもフワフワした印象が拭えない。それは、どこかに日本を語ることへの引け目があるように思えるのだ。


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