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2010年11月30日 (火)

「中国」という問題  11月29日「なぜ冷めない対中投資熱」をベースに

 中国という問題に、日本及び世界が直面している。

 およそ人間世界の悪徳をすべて煮詰めたようなこの国が、世界第2の経済大国として、そして軍事大国として台頭してきた21世紀に突入して10年目の現在、これから10年20年のスパンでどこまでこの問題が拡大していくのか、憂慮されるところである。

 大国と言われる国で、世界に問題を振りまかない国はない、と一応は言えるかもしれない。

 アメリカは世界の大国である。その批判は枚挙にいとまがないことは事実である。
 日本における基地問題についても、批判があって当然だとは思う。在日米軍が、日本占領の継続であるという認識はあってしかるべきであり、これによって日本はアメリカと敵対することは物理的に不可能な状態におかれている。対等な国家関係とは言い難いことであり、戦後日本の重い十字架であることはまた論をまたない。
 しかしながら、本質的に「警察予備隊」である自衛隊のみ、単独で日本の防衛を果たすことが出来ないこともまた論をまたない。もしそれをやろうとするならば、その重武装国家たる覚悟が必要である。米軍は世界戦略の中で、日本及び韓国における東アジアの最前線として米軍基地を保持しているが、これを自国の防衛に利用しているのが日韓両国の実情であろう。それは、北朝鮮という先軍国家の存在や冷戦構造が残っていることと深く関係がある。この地政学的な構造が当面変化することが期待できない以上、そして単独での自衛力保持が国策として得策でない以上、米軍の存在を防衛構想に組み込んで考える他に道はない。それが日米安保体制の本質なのだと思われる。


 ロシアはソ連の時代から世界に色々な意味で問題を振りまいてきた国である。現在もその露骨な大国主義に辟易させられるのみならず、我が国においても北方領土の不法占拠、居直りという深刻な問題を抱えているのみならず、サハリン2に象徴されるような、樺太における共同資源開発の最後の段階で、油揚げをさらわれるような煮え湯ものまされる。北海道にロシア人が浸透しつつあるという情報もある。第二次世界大戦の終戦時に、8月15日の停戦の後、侵攻を開始したソ連が、北海道を強奪しようとしていたことは明らかであり、米軍の展開が遅れればそれは現実のものとなっていたと言われる。
 北方領土、それは占守島まで含む千島全島まで含むものである。これは日露戦争以前に、千島樺太交換条約によって日本領土に編入されたものであり、北方四島とは別に日本の領有権が明らかな島々である。
 火事場泥棒の不法占拠を65年にもわたって打ち払うことが出来ない状況。これは将来にわたる日本民族の宿題である。また、北海道をロシアの侵略から守ることは至上命題であることは言うまでもない。


 中華人民共和国という国家の本質はいかなるものであるか。
 「中国人」と言った場合に、「漢民族」を指すのか、中華人民共和国の支配下にあるすべての民族を指すのか、といえば後者であると言えるだろう。しかしながら、中国における少数民族は56に識別されているという。「中華民族」と言った場合には、これらすべてを一緒くたにしてしまうことになるが、果たして統一したアイデンティティは存在するのか。ありはしまい。
 共産主義あるいは毛沢東主義というイデオロギーが崩壊したとすれば、果たして中国が一つにまとまる根拠は何もなくなるのではなかろうか。逆にいえば、現在の中華人民共和国政府は、無限に拡大し、侵略することを正当化する以外に、アイデンティティを持っていない、ということになりそうである。生存圏の無限拡大という概念は、周辺諸国のみならず世界への脅威となることは間違いない。選択枝が二つしかなくなるからである。一つは「中華」に呑み込まれること、もう一つは「独立を保持すること」である。そして、前者を軍事力を背景にあらゆる手段を持って推し進めてきた場合、後者の立場を守るには相当の覚悟が要るだろう。
 尖閣の問題は、このような背景の中で理解しなければならないだろう。中国は明らかに尖閣のみならず沖縄本島や奄美大島まで含めて狙っている。そして日本各地の水源地などを買いあさっている。明らかに中国人が増加している。今や各地にチャイナタウンをつくり、地域住民を脅かしつつある。外国人参政権を目指す動きの中で無視できない重大なマイナスのファクターでもある。そして更に、帰化要件のハードルが低いことをいいことに、手段として日本国籍を取得する動きも活発化している。彼らは日本の一方の政治勢力として影響力を振るうことを目的として組織化を進めている。日本企業は人質に取られ、経済活動において中国の植民地化がすすめられようとしている。経済の植民地化という意味では、アメリカが先行しているといえるが、これからは中国の方が手を突っ込んでくるのである。


 世界中で、中国問題が拡大している。その中にあって日本は最前線に位置していることを、改めて考えるべきであろう。

 北朝鮮の韓国に対する砲撃と、それを擁護する中華人民共和国。今、改めて日本国家の存立が(それ以前に韓国が矢面に立っているわけであるが)、現実のものとして捉えなければならない時代に突入しつつある、と思われる。


産経新聞 11月29日記事より

「なぜ冷めない対中投資熱」 一筆多論 五十嵐徹(論説副委員長)

 内政、外交とも失点続きの民主党政権にあって、数少ないながら評価できるのは、国を挙げてのインフラ輸出に乗り出したことだろう。結果は今後の展開次第だが、米国への高速鉄道の売り込みも、その一つだ。

 ところが、そこでの最大のライバルは、日本が中国に輸出した新幹線になりそうだという。むろん中国側は独自技術だと主張している。だが、車両の形状からも日本製のコピーであることは一目瞭然である。

 2001年12月の世界貿易機関(WTO)加盟後も、中国には知的所有権保護に本気で取り組む姿勢が見えない。それどころか、対中貿易赤字の膨張に苦しむ欧米諸国の厳しい批判もどこ吹く風。不当に安い人民元相場を維持してはばからない。

 技術取得は先進国に学び、コピーから始まるのは途上国の常だ。かつての日本も、そうだった。しかし、今や中国は世界第2の経済大国の座を固めつつある。立場に見合う責任と自覚が求められるのは当然だろう。

 国家戦略を欠いた日本の対中投資姿勢も、中国の傲慢さを助長している。日中平和友好条約締結後の友好ムードと改革解放の甘い誘いに乗せられ、日本企業は1980年代以降、競うように中国進出を図ってきた。外資優遇など投資環境についても十分な確認をせず、闇雲に突き進んだ側面は否定できない。その結果はどうだったか。

 やっと事業が軌道に乗るや、優遇策が突然に変更され、中国の国益企業などに譲渡を迫られた現地法人は少なくない。技術移転で、もはや用済みと見なせば容赦なく切り捨てる。投資果実を得られぬまま、身ぐるみはがされたも同然に撤退を余儀なくされた、と打ち明ける当時の進出企業関係者もいる。

 問題は、それが教訓として生かされていないことだ。日本企業の対中投資熱は冷めるどころか、一段と熱くなっている気配だ。最初は人件費の安さによる生産拠点として、いまは13億の巨大市場として、中国の投資先としてのステージが変化していることも経営者の判断を甘くしているようだ。

 先ごろ、横浜で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議。直前に設定された各国首脳と民間企業経営者の意見交換会で、中国の胡錦濤国家主席は映画シュター並みの扱いだったという。

 たしかに、中国では富裕層が急速に増えている。だが、それに伴い貧富の差も拡大し、暴動は日常茶飯事だとする報告もある。魅力ある市場としての期待も、国際法を守り、民主主義が根付いた証明がないかぎり、幻に終わりかねない。

 中国が、法の支配よりも為政者の判断が優先する、いわゆる人治の国であることを忘れてはならない。尖閣諸島沖の漁船衝突事件やレアアース(希土類)禁輸を見るまでもない。中国とはそんな国なのだとして付き合う覚悟が必要だ。

 のど元過ぎれば熱さを忘れがち日本人は、とことんお人よしだ。ここまでくると、健忘症国家と侮られても、やむをえまい。

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