菊池寛の「藤十郎の恋・恩讐の彼方に」(新潮文庫)
105円で買って読んだ。
単語の一つ一つに注がつく。明治期の「古典」と言ってもいい時代小説。
封建意識の打破という、文明開化の客気が書かせたらしいが、その封建の香りがあればこそ、名作となっているように思えるのだが。
一つ一つの作品が、短編にも拘らず極めて鮮明な印象を残す。
「形」など、短い作品だが、切り口は鋭い。
「俊寛」は、実に面白い。平家物語の世界から、一気に現代的な雰囲気があふれ出す。時代といい人間といい、枠組みを取っ払ってしまったら、一体どうなるものか。
「恩讐の彼方に」「藤十郎の恋」みな、人間が生き生きと生きている。
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