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2008年5月21日 (水)

生命の誕生を巡る混迷~ 300日規定/産科の受難/モンスター・ハズバンド

 戸籍がない母親が、赤ちゃんの戸籍を取れなくて困っている、という趣旨の報道があり、かなり驚いた。

300日規定:無戸籍の女性「子に同じ思いイヤ」 毎日新聞

 これは何としても解決しなければならない問題である、と思う。

 しかし、一方で、これをもって「300日規定」撤廃を推進する具にしてはならないと思う。

 「戸籍」というものの重み、これは、社会に、1人の国民として認知されることでもある。

 現代社会においてさえ、この枠組みからこぼれてしまうことが有り得るのだということは、一つの驚きでもあった。

 
 新しい生命の誕生は、常に喜ばしいことである。

 生まれたばかりの赤ちゃんを抱いてその顔を見詰めている母親の顔ほど、この世に美しいものはない、とさえ言いたい。

 この新しい命を、守り育むこと、これは本当に根源的なテーマである。

 

 生命の誕生には、男女の営みの介在が不可欠である。野生の動物ならば、本能に従って、誕生から死に到るまで、規定されているのだろう。常に夭折と隣り合わせの中で、生き延びたものが次の生命をつないでいく、その輪廻を繰り返すのだ。

 しかし人間は、「本能の壊れた動物」という規定をする学者もあるくらい、本能そのままで生きるのではなく、本能をベースとしながらも、そこから「文化」「文明」を築き上げていく知能を持っているのである。人間のみが、自分とは何者であるかを考える。そして、生きる意味ということを考える。自分の生まれてきた所以であるところの、父母を、生命の根源として尊重するのも、この自覚の働きである。それを更に演繹することによって、「先祖」という概念に行き着く。祖先崇拝という認識の誕生である。そして、生きていくためには、自然の恵みを受けなければならない。自分という存在を生かしてくれるもの、そして時にはその猛威によっていとも簡単に命を奪うもの、その自然の力、ここに自分を越えた大いなる力というものを認識しした。自然崇拝の誕生である。

 この二つの人類の始原にある認識というものが、分ちがたく絡み合いながら、最も根源的な宗教感情を育て、人間性を作り上げていったのだと、思う。その結晶として、日本においては、「神道」があるわけだ。

 
 明治期に作られた法律が、万能であるとは思われない。欧米列強に併呑されないためには、彼等の文明を一刻も早く移入する必要があったから、様々な歪も生まれたと思われる。しかし、それなくしては、自由と独立を保つことは出来なかった。また、知ったものを知らないときに戻すことは出来ない。

 己は何者であるか。

 この明瞭な問いに、明瞭にこたえることが出来なくなり、大枠だけでなく、マニュアル的に全て把握されなければどうにもならなくなっていった。

 不文法というものが、歴史の古い国には必ず存在する。

 近代化の中にあっても、それは生き続けていた。

 それを、寸断していったのが、「進歩」を標榜する人々だった。その「進歩」の達成が、多くの問題を生み出した。
 
離婚「300日」規定の苦悩 読売新聞


 この300日規定が、なぜいま問題とされるようになったのか。

 美麗字句で、「生き方が多様になったから」というのが通り相場だが、違うだろう。「生き方が崩れたからだ」

 なぜ、最も大切な配偶者選びで失敗するのか。いまや、生命体としての本性に反してまで、逃避するのか。

 頭で考えすぎた結果だ。


 <産婦人科>「モンスターハズバンド」が急増 妻に付き添い暴力・暴言


産科の受難がこれほどひどいとは思わなかった。

生命の誕生の現場は、ここまで来ているということ。


産婦人科医師不足と医療崩壊


このレポートに、深刻さを改めて実感した。


背後にあるのは、人間として生きるということの型を喪失した、つまり文化を喪失したことによる、自己破壊なのである。

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