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2007年4月28日 (土)

安倍首相の快挙!アメリカにおける「慰安婦問題」の処理について

 安倍首相が首相就任後初めて訪米するに当たって、懸念されていた米下院における「慰安婦問題決議」問題に対して、鮮やかに処理した。

 そういうと、私が「慰安婦謝罪」を評価する韓国や中国よりの考え方を持っているかと言えば、そんなことはない。

 「<安倍首相訪米>慰安婦問題で「同情とおわび」を表明」というのが毎日新聞の見出しであったが、あたかも安倍首相が変節したかのような記し方である。

 しかし、安倍首相の姿勢が一貫していることにヤキモキしているのはこうした左派の連中ではないかと思われるのである。

 今回の「慰安婦決議」騒動が、マイク・ホンダという中国から莫大な献金を受けている中国のエージェントとも思われる下院議員の動きに発することは周知のことである。

 中国が一番恐れているのが日米同盟であることは論を待たない。

 そこで、日米間に楔を打ち込むために何か利用できないか、と考えたときに使えるのが、日本の左翼が創作した「従軍慰安婦」問題であったのである。

 ときどき、「慰安婦はなかった」というような不正確な書き込みを保守系の掲示板でするものがあるが、これは撹乱するためのためにする書き込みであると思われる。「従軍慰安婦はなかった」というならば判るが、「慰安婦」はなかった、といったら、それこそ格好の左派の餌食でもあり、正確な認識でもない。

 正にためにするものであり、左派の攻撃の理由を提供するためのものである。もし仮に本当にそう思っているのなら、認識不足であり、害毒でしかないので、少しは勉強して出直すべきであることは言うまでもない。

 ここが実は極めて重要なポイントなのである。

 「慰安婦」問題の核心は、元慰安婦という老女らが語る悲惨な体験ではない。

 それ自体はたしかに「辛酸をなめられた元慰安婦の方々に、心から同情する」のは当然であり、日本人相手の売春による体験だということからすれば一般論として「極めて苦しい状況に置かれたことについて申し訳ない気持ちでいっぱい」と述べても、全くその通りだと言ってもよい。

 問題は、個々の慰安婦があるケースでは極めて好待遇で故郷に立派な家を建てたということでもなければ、兵隊さんと恋仲になったとか、あるいは部隊と共に戦い共に玉砕したとか、民間の卑劣な雇い主の下で悲惨な体験をしたとかいうことでもないのである。

 問題の核心は、当時の政府又は軍が、「性の奴隷」とすべくアフリカで奴隷狩りをしたヨーロッパ人の如き「強制連行」をしたのか、という点に絞られているのである。

 これは、この論争を少しでも突っ込んで追っているものからすればいわば常識に属する。

 ところが、アメリカを舞台とした情報工作が一定の成果を上げることを、「レイプ・オブ・ナンキン」で味を占めた中国発の反日ネットワークが、日本の左翼工作者らと連携して仕掛けてきたのが、「慰安婦問題決議」問題なのである。何も知らないアメリカ議会の公聴会において、あることないことセンチメンタルに悲惨な身の上を「元慰安婦」と称する老女らに語らせて、同情を引き、日本への批判を強めるという方策を採り、それに対して日本が反論すればするほど墓穴を掘るという構造を作り出すことに成功したのである。

 いわば、日本は、安倍首相は、「はめられた」のであり、行くも退くもならない立場に追い込まれたのである。勿論、政府の失策は多々あり、外務省のこれまでの怠慢は責められるべきものであるが、このような状態を打破することは極めて難しいことであったと思われる。

 未だに物事を明朗に思考することの出来ない衆議院議長は「妄言」を繰り返しているが、彼が出した談話の内容も丹念に見れば、彼が考えているようなものではないのである。それにも気付かないほど、彼は魯鈍なのであり、そうした人物が三権の長という日本を代表するポストにいること自体が、「日本の危機」そのものであるといえなくもない。

 そうした劣悪な政治家に囲まれておりながら、安倍首相はビクともしていないのである。

 天晴れといえようか。

 一見、「決議されても謝罪はしない」と述べていたところから後退したように見える。しかし、安倍首相が「謝罪しない」と言っていたのは、ありもしない国家による強制連行に対してであって、たとえ民間人であろうと日本人が関ったところで、劣悪な環境を強いられて辛酸をなめ、極めて苦しい状況におかれた「慰安婦」への、心からなる謝罪のことではない。

 首相は全くスタンスを変えていないのである。

 そして、アメリカでは更に釘を刺してこれ以上この問題について議論することが出来ないようにしたのである。

1、 「私の真意や発言が正しく伝わっていないと思われる」

2、「辛酸をなめられた元慰安婦の方々について、個人として、また総理として心から同情するとともに、極めて苦しい状況に置かれたことについて申し訳ない気持ちでいっぱいだ」

3、 「20世紀は人権侵害の多い世紀であり、日本も無関係ではなかったが、21世紀が人権侵害のない世紀になるよう、日本としても全力を尽くしたい」

 この3をよくよく見てみると、「20世紀は人権侵害の多い世紀である」という定義が先ずある。

 「慰安婦」問題を、20世紀の世界の人権状況の広い視野の中に置いたのである。このように客観化して見たとき、20世紀の人権問題といわれるものが、アメリカも含めて圧倒的に多くあることが想起されることになる。
 ソ連や中国、韓国や北朝鮮、アジア、アフリカの国々、ヨーロッパ、南北アメリカ。

 客観的に見ることによって、ことさらに60年以上前の「慰安婦」問題だけをことさらに取り上げることの異常さが際立ってくるのである。それならば、現在進行形で起こっている、北朝鮮からの脱北者が、生きられないがゆえに数百ドルで人身売買され、性の奴隷のような状況にさらされている問題をどうするのか、という問題になる。こちらの方が緊急を要する課題であろう。それとも、過去の日本軍の犯罪を暴き、明らかにして謝罪と賠償をさせることが脱北者を含む現在の世界に存在する人権状況の改善に役立つのだ、と言うことを主張するのであろうか。

 少し冷静に考えれば、「慰安婦」問題が如何に脆弱な基盤の上に利用されているかが透けて見えてくるのである。

 そして、「21世紀を人権侵害のない世紀になるよう、日本としても全力を尽くしたい」との決意表明は、北朝鮮の拉致を許さないということと同義であり、今現在、人権侵害を生み出し続けている国はどこなのか、ということに目を向けているのである。

 ある意味、日本を追い込み、日米分断をもくろんだ中国や北朝鮮の思惑を完全に逆転させたとも言える発言である。アメリカはこれ以上「慰安婦」問題を突っ込むことは出来なくなった。

 なぜなら、一般問題として悲惨な目にあった元慰安婦への同情と、そのような境遇を改善することが出来なかった当時の苛烈な人権状況に対しておわびを著したことによって、公聴会で日本の「非道」に憤った事情を知らないが善良なアメリカ人の「誤解」を解くことにもなり、「奴隷狩り」などの「誤解」については見事にかわしたのである。

 更に、アメリカ自身の「原爆投下」などの人権蹂躙に飛び火しかねないことに気付かせ、極めつけは、今現在人権侵害を起こしている存在に対して注意喚起に成功したことである。

 これだけのことを簡潔な言葉で表現し、伝えたことは、安倍首相の言語能力の高さを意味するものである。

 日本のいわゆる「保守」派の中には、こうしたことを全く読み解けない人物がいるが、論ずるにも足らない。左派の思惑に見事に乗せられていることにも気付かないところが歯がゆいばかりである。

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