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2007年4月28日 (土)

続発する異常な殺人事件やレイプ事件の背後にある共通した原因についての一考察

 サンダーバード内レイプ事件、続発するバラバラ殺人事件、(殺人?)死体遺棄事件、児童虐待、スーパーフリー連続レイプ事件、また、あるいは学校におけるいじめ自殺事件も繋がっているようにも思われ、更には、イージス艦の機密情報漏洩事件なども繋がっているとも思われる。

 何れも、モラル崩壊、というよりも、道徳破壊、それも、単なる反道徳的な行動を敢えてする、というのではなく、道徳的な指標を全く欠落させた人間が出現してきた、ということである。

 1970年代に準備され、1980年代に蔓延り、バブル崩壊の頃に完全に定着したように思われる、いわゆる「性の解放」というものを考えないわけにはいかない。「援助交際」などという言葉は最近ではほとんど聞かれなくなったが、それはそのような忌まわしい事象がなくなったことでは全くなく、余りにも一般化してしまったが故にニュース性がなくなってしまったというに過ぎない。最近、全国高等学校PTA連合会が調べた、高校生の性交体験調査によれば、高校3年の女子の実に半数近くが性交体験がある、という結果が出ているのである。「腐女子」などという「アイドル?」グループまでが出現してきた。既に、少女自身が自らを腐れていると自称し、そこにまた性の刺激を求めて群がる少年たちがいる。既に「フリーセックス」は、市民権を得ている、という状況になっているように思われてならない。

 おそらく現在の30代以下の世代と40代以上の世代、それは1980年代以降に思春期を体験してきた世代ということになるが、若い世代はその大多数が、いわば「性情報の洗礼」を受けているのではなかろうかと思われる。

 その時期が、不思議なことに「女性差別撤廃条約」が批准した時期に一致するのである。女性運動の進展と、性解放の関連については、本格的な研究を必要とすると思われるが、その研究を進めること自体に圧力がかかるのではなかろうか。

 更に、その頃を境として、女性運動に関する書籍などの傾向が一斉に方向を変えるという事象が起こっているといわれる。それまでは、女性らしさを大切にすることが女性運動のひとつの重要な課題であったものが、百八十度転換といえるように、女性らしさ自体を否定する方向に塗り替えられているのである。こうした書誌学的なアプローチは出版状況を丹念に追うリサーチに基づく研究が行われれば相当に具体的なことが判ると思われるのだが、これも一つ大きな流れとして無視できないものである。

 いわゆる「ボーイッシュ」な女の子が持て囃される、女言葉を使わない、がさつな男言葉で話す少女が主人公の漫画が読まれる。もっと言えば、レディコミブームなどは一つの極めて不気味なモラル破壊の尖兵であったように思われる。

 性風俗産業の蔓延は途方もない広がりを持ち、インターネット時代が本格的に到来したことによって、性情報の蔓延には歯止めがかからない状況になった。

 そして、インターネット上のいわばバーチャルな情報のタネが、一斉に開花して、拡大再生産を繰り返し、いわば第2現実が現実を犯すという方向に暴走を始めたのではなかろうか。

 性の解放は、家族の絆を直接打撃する力を持つ。家族の中で、性は極めてデリケートなものである。伝統的な家族制度は、性の管理という側面があり、秩序を形成してきた。それはなぜ必要だったかと言えば、それなくして家族の絆は保てず、家族の絆なくして、剥き出しの個人で生き抜けるほど、人間の生きる環境は甘くはなかった、ということなのだと思われる。

 現在でも、たった一人で生き抜くことは不可能である。文明の利器とそれを維持し、運用する途方もない多くの人々の努力の上に生活しているに過ぎない。ある意味最も依存した存在なのである。それに気付かないでいること自体が悪い意味での「甘え」ではないかと思われるのである。

 性の解放は必然的に家族の崩壊をもたらす。家族の絆を断たれた個々人は精神的にも肉体的にも極めて脆弱な状況におかれる。その中で代替を求める。そこに様々な落とし穴が待ち構えている。そういう構造が、特に青少年の犯罪が激増する背景にあるのではなかろうか。

 既に30年近くこのような状況は徐々に、しかし確実に進展してきた。その結果が、冒頭のような事件の続発ということになったのではなかろうか。

 これが仮に日本人の民族性を破壊する工作だとしたら、大成功であるということが出来るだろう。

 フリーセックスは深刻な自己否定の精神的な傷跡を残すことが心理学的にも言われるようになっている。女子高校生の半数近くが性体験を持っているということの意味は、彼女らがほぼ確実に精神的な傷跡を抱えて母親になっていくということを意味する。児童虐待の原因に繋がっていないとするほうがおかしいであろう。

 更に言うならば、このまま行けば、かつてヨーロッパやソ連などで起こった事態に近づくことになるだろう。

 「性」が持つ「暴力性」は、特に男性において極めて強力な原動力となる。フロイトがリビドーの昇華という仮説を述べて、全ての文化の進展の力は根底において性にあるとしたが、そのような仮説が成り立つだけの自然科学的な生物としての人間の実態はあるのだとはいえるだろう。

 しかし、全てを「性欲」に還元してしまうフロイティズムは、現在の心理学を席巻しているわけではない。むしろ、心理学の進展はフロイトへの批判から始まったということも出来ると思われるのである。

 フロイトの学説は渡米して、アメリカにおいてフロイト左派となり、フリーセックス運動のひとつの典拠になっていった。20世紀を「戦争と革命」の世紀とし、未曾有の人命破壊をもたらした背景にある二つのイデオロギーを抽出するならば、一つはいわずと知れたマルキシズム(共産主義)であり、もう一つがフロイティズムであるといえるように思われるのである。

 何れのイデオロギーも、それ自体は批判されながらも、強い生命力を失わずに、現在に至るもその亜流や変種は世界中に破壊の種をばら撒いていると言って過言ではない。

 性衝動の強烈な破壊力を解放することこそが、「性の解放」「フリーセックス」であり、30年近くもの間、青少年に洗礼を与え続ければ、今の状況はむしろまだ序の口であると考えた方がよいと思われる。

 手をこまねいていれば、10年以内には、現在の状態もまだ平和だったというように回想されるようになるだろう。既に現在がそうである。現在を考えれば10年前は色々あってもまだ平和だった。その時点から考えて10年前は更に平和だったと回想していたと思う。我が国の精神状況を見ると、坂道を転がり落ちるように、精神的・道徳的な転落を続けているように思われる。

 もう少し慎重に見れば、非常識な事件を起こす人々の世代が、いわゆる団塊の世代に発しているという指摘もある。かつて老人は道徳の指標足り得たが、これからは判らない。

 ともかくも現象の背後にあるものを鋭く見抜く知性と感性、そして義を見てせざるは勇無きなり、という言葉を心に刻み込んだ青少年の育成、道徳的な生き方が仰がれる社会風潮、こうしたことを地道に積み重ねることを30年続けることが出来れば、滅亡の淵から回復することが可能だと思われる。しかし、必ずこうした努力に対する攻撃が、名目はともかく起こってくるだろう。そうしたときに負けないだけのものを培うことが必要なのだと思われる。

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コメント

ご指摘ありがとうございます。

ブログ拝見いたしました。ありがとうございました。

なるほど、統計など”事実”に基づいて議論をすべきとは、その通りだと思います。

”事実”とは、それぞれの具体の事象であり、”真実”とは”トータル・ファクト”であると、学生時代に聞きかじった言葉が思い浮かびました。

印象批評の域を出ない拙論に対して、この”事実”は、この”統計”は、と提出されればそう簡単に反論することはできません。

しかしながら、これを拝見した後でも、拙論を大筋において改めねば、という心持になれないのです。

少し切り口を変えれば別の統計も出てくるわけです。

一つの資料として、貴重な資料をご紹介頂き感謝いたしますが、結論を共有することはできません。

単なる杞憂であれば、その方が自分にとってもどれほど良いかわかりません。

しかし、今、自分の憂慮が杞憂であると、自分に納得させるだけのものではありませんでした。

投稿: 橘正史 | 2010年3月12日 (金) 午後 09時42分

指摘させていただきますが、その手の異常な殺人事件とか性犯罪は昔の方がはるかに多かったのですが。

このブログを一読してみてください。
http://pandaman.iza.ne.jp/blog/entry/515564/

投稿: かもた | 2010年3月 6日 (土) 午後 07時16分

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