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2006年12月10日 (日)

心をゆすぶられる話 小野田町枝さん

 日本会議の機関誌「日本の息吹」12月号に、日本女性の会の会長に就任された小野田町枝さんのインタビュー記事が掲載されていた。

 小野田町枝さんは、ルバング島で戦後30年にわたって戦いを継続された小野田寛郎さんの奥様で、広島には、5年ほど前に、小野田寛郎さんが福山市の建国記念の日奉祝の集いに、記念講演で来県された際に、同行されてきた。

 特に言葉を交わしたというわけではなかったが、あのときの印象は本当に素晴らしいご婦人だということだった。今回、日本女性の会の会長にご就任されるということには、何となく納得がいった。

 帰還された小野田さんを見て、「ああこの人だ、この人のためなら死ねる」と思ったという。ブラジルを訪ねられたときに、「あなたは私にとって勿体ない人だ」と小野田さんから言われ、「あなたこそ私には勿体ない人だ」と答え、結婚することになったのだということで、「人生の戦友を得た」と後に小野田さんは言った。

 小野田少尉が帰還されるまで、お母さんは三十年一日も欠かさず、毎日陰膳をされていたという。それで、帰還された日に、お母さんは、次の句をつくった。

 陰膳も 果てとなりけり 梅の花

 お父さんには、ルバング島に息子を探しにいって帰ってくるときにこれが最後という思いでつくったという次の句がある。

 こだますら うちかえさざり 夏山は

 絶唱である。

 これ以上迷惑はかけられないと、捜索を打ち切ってくださいと言った。これが、昔の日本の父だった。

 インタビュー記事を読みながら、日本人が生きている、と感じた。今は、寥寥として寒心に堪えない世情の中にあって尚、日本人が生きている、と思った。

 自分も、万分の一でもいい、日本人でありたい、と思う。

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コメント

橘 正史さま

本当に素晴らしいご夫妻だと思います。ブラジルの荒野を身の危険に幾度と会いながらも開拓されてこられたその気概と情熱は、全ての事に通ずるのだと思わされます。

小野田先生のご両親の帰らぬ子を思い、ひたすら信じて待ち続けられるお母様、迷惑をかけるから国としての捜索の打ちきりを申し出たお父様。父母の尊い姿を学ばされます。

私は、近年、このお父様のこの姿と同じ姿をある方から学ぶ事がありました。「ご迷惑をかけているから、もうやめなさい」と言われたのです。
小野田先生のお父様も生きている願いを捨てたわけではなかったのでしょうが、自分が言わなければ捜索を続ける事に申し訳なさを感じられたのでしょう。
そのご両親の元に小野田先生が過酷な苦難にも耐えられお帰りになられた事に感動致します。さらに、素晴らしい奥様と出会われ、日々精進されておられることは有り難く感謝申し上げます。

投稿: はるか | 2006年12月10日 (日) 午前 08時13分

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