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2006年10月16日 (月)

国連安全保障理事会、北朝鮮制裁決議を採択

 国連安保理が北朝鮮制裁決議案を採択した。7月の弾道ミサイル発射に対する非難決議から、当然のことながら更に一歩進んだ国連憲章第七章(加盟国への義務規定)を踏まえた決議である。軍事制裁の部分は外したとはいえ北朝鮮が自らもたらした包囲網の輪は更に狭まったといえよう。次にもう一度核実験なり弾道ミサイル発射なりをすれば、軍事制裁を含む決議採択へと進み、中国・ロシアも最終的に北朝鮮の現体制を見放すことになるだろう。もう土壇場まで来ていると言って間違いない。

 一方、拉致被害者全員の即時無条件返還と、拉致実行犯の引渡し、全容の徹底解明など、日本政府が当然求めるべき要求を北朝鮮に突きつける状況に政府として動き出したことは喜ばしいことであると同時に、正念場とも言える。あらゆる手段を尽くして拉致被害者の救出に当たらなければならないが、政府の行動を支えるのが国民の確信と信念である。

 また、北朝鮮に核兵器の開発・保有を促進した、国内の協力者を徹底的に洗い出す必要があると思う。政党、団体、企業、個人、様々なレベルで存在するであろう。

 北朝鮮制裁決議の全文(日本語訳)/読売新聞10月16日記事より

■前文

 安全保障理事会は決議825(1993年)、決議1504(2004年)、特に決議1695(2006年)などの関連決議と2006年10月6日の議長声明を想起する。

 核、化学、生物兵器とその運搬手段の拡散は国際の平和と安全に対する脅威であることを再確認する。

 北朝鮮が2006年10月9日に核実験を行ったとする主張、こうした核実験が核拡散防止条約(NPT)ならびに核兵器不拡散のグローバルな体制の強化をめざす国際的な努力に突きつけた挑戦、地域内外の平和と安定にもたらす危険に対し、最も重大な懸念を表明する。

 核兵器の不拡散の国際的な体制は維持されるべきだという確信を表明し、北朝鮮はNPTの核兵器国の地位を得ることはできないことを想起する。

 北朝鮮のNPT脱退表明と核兵器追求に強い遺憾の意を示す。

 北朝鮮が前条件なしの6か国協議復帰を拒んできていることにも強い遺憾の意を示す。

 中国、北朝鮮、日本、韓国、ロシア、米国が2005年9月19日に発表した共同声明を支持する。

 北朝鮮が安全保障と人道に関する国際社会のほかの懸念に対処する重要性を強調する。

 北朝鮮が行ったと主張する核実験が地域内外の緊張を高めたことに深刻な懸念を表明し、国際の平和と安全に対する明白な脅威があると認定する。

■対北非難・要求

 国連憲章7章のもとで行動し、7章41条に基づく措置を講じる。

 1 北朝鮮が関連の諸決議、特に決議1695(2006)と、こうした核実験は国際社会全体の非難を招き、国際の平和と安全に対する明白な脅威になるとした2006年10月6日の議長声明を公然と無視し、核実験の実施を宣言したことを非難する。

 2 北朝鮮がさらなる核実験や弾道ミサイル発射を実施しないよう要求する。

 3 北朝鮮がNPT脱退表明をただちに撤回するよう要求する。

 4 北朝鮮がNPTと国際原子力機関(IAEA)保障措置に復帰するよう要求し、NPTに加盟するるべての国が条約上の義務に引き続き従う必要性を強調する。

 5 北朝鮮は弾道ミサイル計画に関連したあらゆる活動を停止し、この関連において、ミサイル発射凍結に関する既存の公約を再び掲げるよう要求する。

 6 北朝鮮はすべての核兵器と既存の核計画を検証可能かつ後戻りできない形で完全に放棄しなければならないこと、NPT加盟国の義務とIAEA保障措置協定の条件に厳格に従って行動しなければならないこと、それらに加えてIAEAが要求もしくは必要と見なす個人、書類、装置、施設へのアクセスを含む、透明性ある措置をIAEAに提供しなければならないことを決定する。

 7 北朝鮮はその他の既存の大量破壊兵器と弾道ミサイルの計画もすべて、検証可能かつ後戻りできない形で完全に放棄しなければならないと決定する。

■調達・輸出の禁止

 8 以下の措置を決定する

 (a) すべての国連加盟国は、以下の品目について、北朝鮮に対し、直接であれ間接であれ、出所が自国内であろうとなかろうと、領土内を通過したり、その国民が行ったり、自国籍の船舶や航空機を使ったりする供給、売却、移転を阻止しなければならない。

 (ⅰ) 通常兵器移転国連登録制度のために定義された戦車・装甲戦闘車両・大口径火砲システム・戦闘機・攻撃ヘリコプター・軍用艦艇・ミサイルまたはミサイルシステム、補修品を含む関連資材、安保理または後記の12で設立される委員会が認定する品目。

 (ⅱ) 北朝鮮の核、ミサイル、他の大量破壊兵器に関連する計画に資する可能性のある品目、物資、装備、物品及び技術。これらは(決議に付属する)文書S/2006/814とS/2006/815で示される。決議採択から14日以内に制裁委員会がその条項の改訂や仕上げを終えられない場合はS/2006/816にあるリストも考慮に入れる。安保理または制裁委員会が認定する場合もある。

 (ⅲ) ぜいたく品

 (b) 北朝鮮は前記(ⅰ)(ⅱ)の全品目の輸出をやめなければならない。すべての国連加盟国は、その出所が北朝鮮であろうとなかろうと、これらの品目について、自国民による調達や自国籍の船舶、航空機を使った調達を禁止しなければならない。

 (c) すべての国連加盟国は前記(ⅰ)(ⅱ)の品目の供給、製造、維持、使用に関連した技術的な訓練、助言、サービス、援助が、自国民によって、あるいは自国の領土から、北朝鮮に与えられることを阻止しなければならない。また、同様の訓練、助言、サービス、援助が北朝鮮の国民によって、あるいはその領土から、外部に与えられることを阻止しなければならない。

■金融制裁

 (d) すべての国連加盟国は、本決議採択後に自国の領土内にあり、委員会または安保理によって、北朝鮮の核、他の大量破壊兵器、弾道ミサイルに関連する計画に関与または支援していると指定された個人または団体、その代理または指示で動いている個人または団体が、直接または間接的に所有・管理している資金、他の金融資産と経済資源について、各国の法的プロセスに従ってただちに凍結しなければならない。また、資金、金融資産や経済資源が、加盟国の国民や領土内の個人または団体によって、利用可能にされること、その利益になることを阻止しなければならない。

 (e) すべての国連加盟国は、委員会または安保理が、北朝鮮の核、弾道ミサイル、他の大量破壊兵器に関する計画に関連した諸政策に対し、その支援や促進などを通じて責任を負っていると指定した人物について、その家族を含め、入国や領土の通過を阻止するために必要な措置を講じなければならない。

 (f) 8の要求を遵守させ、核、化学、生物兵器とその運搬手段、関連物資の違法な取引を阻止するため、すべての国連加盟国は、自国の国内法上の権限及び国内法令に従い、かつ国際法に適合する範囲内で、必要に応じて、北朝鮮に出入りする貨物の検査などを通じた協調行動を取ることが要請される。

■適用除外

 9 8(d)の条項は関係国が以下のように認定した金融その他の資産には適用しないと決定する。

 (a) 基本的な支出に必要なもの。食料品、家賃、住宅ローン、医薬品、医療費、税金、保険料、公共サービス代への支払い、または専門職に対する妥当な支払いとリーガルサービスに関連して負った支出の返済、さらに、関係国が委員会に対して、凍結した資金、他の金融資産、経済資源へのアクセスを認める意思を通知し、かつ委員会が通知後5日以内に否定的な決定を下さない場合、これらの資金の維持に対して国内法に従って支払う費用。

 (b) 特別の支出に必要なもの。この認定は関係国から委員会に通知され、委員会が承認した場合に限る。

 (c) 司法、行政、仲裁裁判上の担保先取引権や判決債務の対象になるもの。この場合、資金や他の金融資産、経済資源はこれらのために使ってもよい。ただし、本決議の日付に先立つものであること、8(d)で言及された人物や安保理または委員会が特定した個人または団体の利益にならないこと、関係国から委員会に通知されていることが条件になる。

 10 8(e)が科す(入国・通過禁止の)措置は、委員会が宗教上の義務を含む人道上の理由で正当な渡航と認定した場合や委員会が他の方法よりも本決議の目的を果たすのに役立つと結論付けた場合は適用されないものと決定する。

 11 すべての国連加盟国に対し、8の項目を効果的に実行するために講じた措置について、本決議採択から30日以内に安保理に報告するよう要請する。

 12 安保理の暫定的な手続き規則の中の規則28に従い、すべての理事国で構成される委員会を設立することを決定する。委員会は以下の任務を果たす。

 (a) すべての国、特に前記の8(a)で触れた品目、物資、物品、技術を生産もしくは所有する国から、8が科する措置を効果的に実行するために取られた行動に関する情報、さらに有益と考えられるあらゆる追加情報を求める。

 (b) 決議の中の8が科した措置の違反とされる情報について検証し、適切な行動を起こす。

 (c) 9と10で示された適用除外の要望について検討し、決定を下す。

 (d) 8(a)(ⅰ)(ⅱ)のための追加的な品目、物資、装備、物品、技術を決める。

 (e) 8(d)(e)が科す措置に従わなければならない追加的な個人と団体を指定する。

 (f) 本決議が科す措置の実施を促進するために必要な指針を公布する。

 (g) すくなくとも90日ごとに作業状況について、とくに8で科す措置の有効性を高める方法に関する所見や勧告を添えて、安保理に報告する。

■「6か国」再開奨励

 13 挑戦半島の検証可能な非核化の達成と挑戦半島及び北東アジアの平和と安定の維持を目指し、中国、北朝鮮、日本、韓国、ロシア、米国が2005年9月19日に発表した共同声明について、迅速な実施のために、すべての関係国が外交努力の強化、緊張を高めかねない行動の自制、6か国協議の早期再開促進に努めることを歓迎し、奨励する。

 14 北朝鮮に対し、6か国協議に無条件で即時に復帰すること、中国、北朝鮮、日本、韓国、ロシア、米国が2005年9月19日に発表した共同声明の迅速な実施に向けて作業を行うことを要請する。

 15 北朝鮮の行動を継続的に点検しなければならないこと、条項8に盛り込まれた措置について、北朝鮮の決議遵守状況に照らして必要になるかもしれない強化、修正、停止など、妥当性を見直す準備をしなければならないことを確認する。

 16 追加的な措置が必要な場合はさらなる決定が求められることを強調する。

 17 この問題に引き続き積極的に関与することを決定する。

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