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2006年7月19日 (水)

現代の鬼を生み出したもの

 秋田の児童殺人事件が連日報道されているが、実の娘を殺し、その友達だった男の子を殺すという、正に鬼の所業としか言いようのない事件である。

 実の母親がその娘を殺すなど、余りにも無残である。悲しい話でもある。ふと法華経の中にある「鬼子母神」の説話を思い出した。

 鬼子母神の説話は仏教の話である。美しい女神であり500人の子供の母親であった彼女は、子供を育てるために人間の子供を誘拐しては食べていた。歎き悲しんだ人々はお釈迦様に相談します。お釈迦様は一計を案じて、女神の末の子供をお隠しになりました。女神は子供がいないのを知ると世界の果てまでも探しましたが見つかりません。とうとう力尽き果ててお釈迦様に助けを求めます。
 お釈迦様は言います。「500人の子供の内、たった一人居なくなっただけで、おまえはこのように嘆き悲しみ私に助けを求めている。たった数人しかいない子供をおまえにさらわれた人間の親の悲しみはどれほどであっただろう。その気持ちがおまえにも今わかるのではないか」とさとされ、子供を返されました。
 それから、鬼子母神は、心を改められ、子供の守り神となりました。

(参照 吉祥寺・さどわら鬼子母神)

 自らの子をも食い殺してしまう現代の鬼母には、お釈迦様も如何ともしがたいであろうか。それともまた別の方便で救われるのだろうか。

 心の中に萌した鬼は、どのようにして母親の内心を食い荒らしていったのか。今はすべてが自分優先の社会である。二言目には権利、権利、権利。そして自由。権利を奪い、自由を束縛するものは「悪」なのだ。とすれば、親にとって子は「悪」そのものになるだろう。子にとって親は敵になるだろう。そのような関係が凄惨にならないほうがおかしい。しかし、現代を支配するイデオロギーは、このような関係を志向している。日常茶飯事のように殺し、殺されるという事件が報道される。異常が日常化してしまっている恐るべき時代が、今なのだ。

 人間の心には「鬼」が棲んでいる。しかし、「神」も棲んでいるのである。そのどちらがその人を支配するか。それがその人の人生を決める。そしてまた、国家、社会の歩みも決めて行くのだろう。「鬼」を助長する教育か、「神」を磨き出す教育か、その何れが求められているのだろうか。答えは明白だと思われるのだが。

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