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2006年1月10日 (火)

いざ子ども 馬に鞍置け 九重の 御階の桜 散らぬその間に(平野国臣)

文藝春秋2月号に、三笠宮寛仁親王殿下へのインタビュー記事「独占会見 天皇さま その血の重み―なぜ私は女系天皇に反対なのか」聞き手、櫻井よし子、が掲載されました。

早速購入して拝読させて頂きました。議論は皇族の役割、現実になさっておられるお仕事、余りにも少ない歳費のこと、皇室存在の意味、皇統をつないできた歴史、と多岐に渡っています。もちろん話題の中心は、「女系」問題で、「女系天皇は日本国の終わりの始まり」という見出しにもあるように、強烈な危機感が伝わって参ります。

問題の多い有識者会議について、櫻井氏が「日本に軸足を置いた方というのがどれくらいいらしたかははなはだ疑問です」と述べられているのを受けて、殿下が次のように述べられています。

「会議の構成について私が口を挟むわけにはいきませんが、二千六百六十五年間も続いてきた世界でも類を見ない、まことに稀有な伝統と歴史を、一年、わずか十七回、三十数時間の会議で大改革してしまうということが果たしてみとめられるのでしょうか、あまりに拙速にすぎまんせんか、ということは強く申し上げたい。」

横道にそれますが、「拙速」ということについては、月刊現代1月号において「「天皇と民主主義」という対談で、保阪正康氏が繰り返し述べています。この対談自体は、相手の原武史氏が「私は別に天皇制の護持論者ではありません」と述べているように、如何にして皇室をお守りするか、という問題意識を持たない冷笑的なものであって、違和感と憤りを誘われたものでしたが、保阪氏が「皇室問題はそんな短兵急な問題ではない」と述べているように、「拙速」という点についての認識は一致しています。

ここで二つのことが確認できるわけです。

第一に、有識者会議は人選から始まってその議論の内容に到るまで、極めて不適切かつ不十分であったという点。
第二に、あまりにも拙速すぎるという点。

拙速ということでは、昨年11月24日に「報告書」が提出された一週間後の12月1日には内閣官房準備室が設置され、今年の通常国会に改正案を提出する予定で作業が進められているという点です。何でこんなに急ぐのか。全く理由が示されないまま、内閣府が暴走を続けているわけです。

1月5日の朝日新聞は次のように報じました。

「政府が今月から始まる通常国会に提出する皇室典範改正案の概要が明らかになった。小泉首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」がまとめた報告書を踏襲し、「女性・女系天皇」を認め、天皇直系の「第1子優先」で皇位を継承する。複数の政府関係者によると、改正案には、成立後、直ちに皇室に適用するとの規定が盛り込まれる。現状では敬宮愛子さまが父親の皇太子さまに次いで皇位継承順位2位になる。

 政府は改正案を3月中旬にも国会に提出する。これまで男系男子に限定してきた皇位継承資格を、「女性天皇」や、その血筋を引いた「女系天皇」にも拡大。天皇直系で、最初に生まれた「第1子」を優先する。女性天皇は歴代8人存在するが、女系天皇は過去に例がない。

 「皇籍離脱制度」を改め、女性皇族は結婚後も皇室にとどまる。皇族以外の男性も女性皇族との結婚で皇族入りする。「皇后」「皇太子妃」に相当する男性皇族の呼称を新たに定める。政府は「皇配(こうはい)」「皇婿(こうせい)」など複数の案を検討している。

 このほか、皇室に対する政府の経費負担について、原則として女性皇族は男性の半額と定めた皇室経済法を改正、男女同額に改める。 」

事は憲法改正、いやそれ以上の重大な問題であるにも拘らず、これほどのスピードで「法案化」が進められている点それ自体に著しい違和感を感じざるを得ません。

冒頭に掲げた歌は、幕末の志士、平野国臣が詠んだ歌です。ざっくばらんに意訳をすれば以下の通りです。

「馬の準備をせよ!天子様の一大事だ!間に合うように急げ!」

まさにこの通り。通常国会は2月には開会されます。すぐにも上程される可能性があります。

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