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2006年1月11日 (水)

「長子優先」説に隠された罠 〜もし皇室典範がこのまま改正されれば、愛子様に施される「帝王学」は「ジェンダーフリー教育」になる!〜(皇室典範に関する有識者会議報告書 批判 その3)

「有識者」会議の面々が、如何にして「愛子様」を「皇位」につけるか、頭を悩ました点が、「男子優先」か「長子優先」かについての理屈付けであった。言うまでもなく「長子優先」と決まれば、自動的に「愛子様」は皇位継承順位2位となり、次に「皇長男子」が生まれても、継承順位は変わらず、この時点で近代皇室史上初の「女帝」誕生は確定することになる。

 もちろん、そこに留まらず、この”原則”は「女系」を確実にする「皇統断絶」の謀略でもあるのだが、その点はひとまず措いておくとしよう。

 悪知恵に長けた「有識者」らは、このために考えた。理屈付けに何が有効であろうか。そして一つの罠をしかけたのである。それが「ご養育の方針が早い段階で定まる」という理屈だ。これが”「帝王学」は早ければ早いほどよい”と俗受けを狙ったキワモノの論理であることは、すでに文藝春秋2月号の「天皇さま、その血の重み」の中で明快に否定されている。念のため、該当部分を引用しておく。

「(櫻井)ところで、拙速であっても、今、女系天皇容認という結論を急いで出さなくてはならないという根拠の一つとして、天皇になる方の帝王学は三歳くらいから始めなくてはならないと言う人もいます。」

「(寛仁親王)それもナンセンスです。たとえば先帝様(昭和天皇のこと/引用者註)のように、幼い頃からご学友が決められ、東宮御所に御学問所が建てられるといった時代には、帝王学というものがあったかもしれません。とくに先帝様の場合、東郷平八郎を総裁として、杉浦重剛が倫理学をご進講されるとか、錚々錚たる方たちが教育にあたられたわけですから、それは帝王学と言っていい。しかし、今の皇太子様からは、まったく私と変わらない教育を受けてこられたわけです。学習院で一般の生徒に交じり、一般の生徒と同じ授業を受けられてきたのですから。したがって、お父様やお母様の背中を見て、あるいはお祖父様やお祖母様の背中を見ながらお育ちになることが、結果として帝王学になるということであり、それならば、とくに焦る必要はないと思いますが・・・。」

 これでも「有識者」会議の報告書をベースに法案作成を急いでいる内閣府官僚は「長子優先」を主張するつもりだろうか。寛仁親王殿下が述べられていることは「事実」であり、特に際立った政治的主張ではない。しかし、事実に基づいた明快なご判断であり、国民の多くも十分に納得の行く話ではないか。もちろん、現状の「一般の生徒と同じ授業」のみで良いかどうかは疑問ではあるが、皇族としての心得そのものが当然に「帝王学」に繋がっていくものであるとは、当然に思量されることである。

 有識者らは、「ご養育の方針」というオブラートに包んだ言い方を用いることによって、反対するであろう保守派に対して、「帝王学」は早いほうが良い、という錯覚を起こさせ、更に言えば、所謂「三歳児神話」説(註)に否定的なふつうの国民の心理の間隙を突いて、「ご養育の方針」は早い方がよい、と同調を誘おうとしたものと考えられる。

 しかし、考えてみれば、この「報告書」のベースは内閣府の官僚が作文していることは間違いなく、男女共同参画の牙城である内閣府の官僚たちが「三歳児神話」説を知らないわけはなく、明確な誘導の意図を持って国民を欺瞞しようとしたと容易に想像がつく。

 これは、相当に念の入った悪意である。

 更に、ここからは憶測になるが、「ご養育の方針」が決められるとして、所謂「帝王学」について、「女性天皇」たるための「帝王学」として、新たに「ジェンダー学」が必要であり、「ジェンダーフリー教育」がなされなければならない、という屁理屈がつけられたとしたらどうなるであろうか。
 考えたくもないことではあるが、「愛子様」に対して「ジェンダーフリー」思想による「洗脳」が行われる可能性が高まるのである。あまりにも当然のことながら、「女性天皇のための特別な帝王学」などと言う触れ込みで、「ジェンダー学」の専門家と称するフェミニストの毒手が宮中を跋扈することになる。
 そんなおぞましいことまでなりかねない。もちろんフェミニスト官僚たちはすでにそこまで想定して着々と謀略を練っているに違いない。

(註:「三歳児神話」/三つ子の魂百まで、ということわざに現れているように乳幼児期から数え年三歳位までは母親が子供を見るべきだという伝統的な子育ての考え方を、厚生省が白書で「科学的根拠がない」として否定したことをさす)

以下参考「有識者会議報告書」該当部分

(3) 「長子優先」と「兄弟姉妹間男子優先」
 皇位継承順位については、国民が、将来の天皇として、幼少時から、期待をこめてそのご成長を見守ることのできるような、分かりやすく安定した制度であることが求められる。そのことは、ご養育の方針が早い段階で定まるということにもつながる。
 このような観点から、「長子優先」と「兄弟姉妹間男子優先」とを比較すると、「兄弟姉妹間男子優先」の場合、男女の出生順によっては皇位継承順位に変動が生じ得ることとなり、国民の期待やご養育の方針が定まりにくいという結果をもたらす。これは、長子たる女子(姉)の後に男子(弟)が誕生した場合、弟が姉よりも先順位となることに由来するも
のであり、このことは、現行制度のように皇嗣(皇位継承第1順位者)たる皇子を皇太子とすると、皇太子が交代する事態が生じ得ることを意味するものである。〔参考26〕
 しかも、兄弟姉妹間に生じ得る年齢差を考えると、このような不安定な期間が相当程度継続することがあり得ると考えなければならない。
 これに対し、「長子優先」の場合、出生順に皇位継承順位が決まることから、制度として分かりやすく、また、国民の期待やご養育の方針も早期に定まるという点で優れている。
 国民が、天皇が男性であることになじんでいる面はあるとしても、以上のような意味での安定性は、最大限に尊重されることが望ましい。
 したがって、天皇の直系子孫を優先し、天皇の子である兄弟姉妹の間では、男女を区別せずに、年齢順に皇位継承順位を設定する長子優先の制度が適当である。

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