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2006年1月12日 (木)

必読!「天皇様、その血の重みーなぜ私は女系天皇に反対なのかー」(文藝春秋2月号)

 髭の宮様として国民にも親しみのある三笠宮寛仁(ともひと)親王殿下が、皇室典範改正問題を巡って、初めて公の雑誌にご意見を述べられた。前に、福祉法人の機関誌で述べられたご意見は、私的な場なので内々に、という形で公表されたものであり、なるべく控えめに皇族の意見を世間にもれ伝わるように、というご配慮があられたように拝されるが、今回の文藝春秋でのご発表は、最早、そのような控えめな形では到底伝えることが出来ないという、危機感に立たれてのことと拝された。

 内容は多岐にわたるが、そのすべては、皇室の伝統の中核である皇位継承について、そのプリンシプル(原則)を守ることへの強い意志が漲っている。

 ここでは、皇室の伝統について、皇族の日常について、語られている。そして、「女系天皇容認、長子優先」を打ち出した「有識者会議」の報告書の問題点について、櫻井よしこ氏が、寛仁親王殿下からざっくばらんに引き出している。

 最初の話題は明治天皇についてと、昭和天皇のエピソード。
 昭和天皇の公平無私のお人柄、そして人間というものについて透徹してご存知でいらっしゃったこと。専門分野を超越してすべてをわかってしまわれておられ、誤魔化しの通じないお方であられたことなど。

 そして、皇族の役割がどのようなところにあるのか、について。

 福祉に携わられる伝統の一環として、ハンセン氏病への取り組みについてなど。皇族は「ニッチ」産業だ、とくだけていわれる。政治が手の届かないところ、気のつかないところにも、国民のために手を差し伸べる役割を務めてこられていること。

 皇族であるということが重荷であるかどうかという、突っ込んだ話もされています。

 学習院初等科の時代に、クラスメイトから「お前たちは俺たちの税金で食わせてやってるんだ」などといわれたことなどを紹介されています。

 皇族には、医療保険がない、ということ。病気になられた時は自腹を切るしかないとのこと。

 宮内庁病院は、皇族のための病院ではなく、基本的に宮内庁職員のために作った共済病院のようなものであること。皇族病棟はあるが、両陛下を想定したものであること。

 皇族の歳費は3千万程度であること。「侍女」と呼ぶ若い女性などの人件費だけで歳費の半分は飛んでしまうこと。講演料や印税がなければギリギリの生活になるだろうとのこと。

 決して多くない歳費に対して、国民からの公務や暮らしぶりについての期待は大きいこと。

 こうしたことを踏まえて、皇族という存在を突き詰めて考えたとき、「存在していることが大切」と述べられている。

「血統を守るための血のスペア」として存在価値があるのだと述べておられる。

これについて、櫻井氏が「日本文明の核」と表現し、次のように述べる。「日本は半ば神話の時代から今日まで、神武天皇の血を引く天皇を戴いてきた、万世一系、つまり男系の血筋を重んじてずっと継承してきた。その事実自体が日本民族の生成の物語なのです。その物語は、大切なものとして受けとめなければならない。」

 アメリカ人のエピソードとして、殿下の友人マイヤースさんのことを語られた。日本に来て商売を始めた人だが、派閥政治など根回しの文化や、大臣がコロコロ代わって誰と約束していいのか皆目わからなかった。そのとき、「天皇を担保と考えた」と言う。「天皇を担保と考えると、日本は絶対に変わらないのだから、自分は商売を続けられると考えた」という。振り子の原点、と殿下は語る。

 「二千六百六十五年間も続いてきた世界でも類を見ない、まことに稀有な伝統と歴史を、一年、わずか十七回、三十数時間の会議で大改革してしまうということが、果たして認められるのでしょうか。あまりに拙速にすぎませんか、ということは強く申し上げたい。」と述べられる。

 また憲法第一条に象徴と書かれてあるが、「国民にじっくり考えてもらわなくてはなりませんが、考えるだけの情報があるのかというと、必ずしもそうではない。百二十五代の天子様のうち、何方をご存知でしょうか」と、指摘されている。

 女系容認について、それは「皇室の伝統を破壊するような女系天皇」という厳しい表現をなされておられる。
 「皇室の伝統を破壊するような女系天皇という結論をひねり出さなくても、皇統を絶やさない方法はあると思うのです。たとえば、継体天皇、後花園天皇、それから光格天皇のお三方は、それぞれ十親等、八親等、七親等という、もはや親戚とは言えないような遠い傍系から天皇となられています。光格天皇の場合は、前の天皇の内親王さまのところに婿入りされて、内親王様は皇后になられている。そんなに古い時代のことではありません。光格天皇という方は孝明天皇のお祖父様ですから、明治天皇から見ると曽祖父様で、我々からもすごく近いところにいらっしゃる方です。
 また、宇多天皇という方は一度、臣籍降下なさって、臣下でいらっしゃった間にお子様も儲けられているのに、その後、皇室に適格者がいなくなったのか、皇族に復帰されて、皇太子になられ、天皇に即位されています。お子様も一緒に皇族になられて、その後、醍醐天皇になられています。
こういった事実はいくつもあり、選択肢もたくさんあることをメディアはもっと発表すべきです。そうすることで国民が事実をよく理解し、選択肢の中のどれかをやってみて、それでもどうしようもなくなった時、初めて女性、女系の議論に入るという方法もあるではないですか。「有識者会議」では、そういった議論をしていなかったように思います。」

 ちなみに、有識者会議は歴史や伝統は無視するということを方針としていた。座長の吉川弘之元東大総長は「歴史観や国家観で案を作ったのではない」と公言している、という。
 また、櫻井氏は、「報告書の中で非常に面白いのは、今、皇族のうち男系男子が五人いらっしゃるとして、出生率が1.29である、男女半々で生まれるとすると子の世代には男系男子は3.32人、孫の世代には2.08人、曾孫の世代では1.34人と急速な減少が見込まれる、などと、すべて計算で理屈付けを行っているのです。吉川座長はロボット工学の権威で、まさにその発想を天皇家の問題にも適用しているのですが、人間も歴史も、ロボットのように計算どおりにはいきません。」と指摘し、

 「歴史観や国家観がないだけでなく、倣岸不遜でもあります。殿下が「ざ・とど」に書かれたエッセイについて新聞記者から質問を受けた吉川座長は、「どうということはない」と答えています。この無礼さは何なのでしょう。」と、批判する。

 そして、櫻井氏の次の指摘は、この問題に真向かう国民の姿勢について、極めて大きな示唆に富んでいるといえよう。

「過去の日本においては、男系のお世継ぎが眼の前にいない時、先人たちは大変な苦労と工夫をして、女系をとらずに男系の継承をつないできました。殿下がおっしゃったように、十親等も離れていれば、赤の他人かもしれませんが、あえてそれでいい、それでも男系を守ることが大事なんだと考えた。その祖先の心というものを大切にしなくてはいけないと思います。」

 続く

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 本日は旧暦十二月十三日、煤払い、事始め。師走、水温をふくむ。 神武天皇の血を引く男系男子ならば誰でもいいのかという議論がある。 もし神武天皇の血を引く男系男子ならば誰でも等しく皇位継承権があるとするなら立花隆のような間抜けな主張が罷まかり通ってしまう...... [続きを読む]

受信: 2006年1月21日 (土) 午後 08時14分

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