« 「長子優先」説に隠された罠 〜もし皇室典範がこのまま改正されれば、愛子様に施される「帝王学」は「ジェンダーフリー教育」になる!〜(皇室典範に関する有識者会議報告書 批判 その3) | トップページ | 必読!「天皇様、その血の重みーなぜ私は女系天皇に反対なのかー」(文藝春秋2月号) »

2006年1月12日 (木)

「女性の方」に誤解して欲しくないこと。〜「女系」容認は女性尊重と何の関係もなく、「男系継承」は女性蔑視と何の関係もないということ。〜

1、「女系」天皇の反対は、女性蔑視でも女性軽視でもないこと。女性が仕事を持つことへの反対でもなければ、女性が管理職になること、もっと言えば女性が首相になることへの反対でもありません。

2、「女系」と「長子優先」がセットになると、一切の原則が無くなります。「男系」はもちろん、「女系」でも皇統をたどることは不可能になり、皇統の内実は失われることになります。反天皇制論者ならいざ知らず、皇室を大切に思う大多数の国民にとって、それは耐え難いことです。

3、古事記・日本書紀の記述によれば、皇統の原点は「天照大御神」という女神に到ります。「太古女性は太陽だった」という有名な言葉の背景に「天照大御神」という太陽の女神があったと思われます。「男系」の皇統をたどれば、天照大御神に行き着くことを考えれば「男系継承」は女性蔑視と何の関係もないことがわかります。むしろ天照大御神を始祖と仰ぐ皇室を尊重することは女性尊重の原点ともいえます。

4、8人10代の女帝(推古、皇極/斉明、持統、元明、元正、孝謙/称徳、明正、後桜町)の歴史をつぶさに省みたとき、多くの女帝の方々が如何に男系継承のために尽くされたかが解ります。

 ここでは直近の後桜町天皇の御事跡をみてみます。
 先帝であられる桃園天皇が22歳の若さで崩御され2皇子は未だに5歳と3歳に過ぎず、先々代の桜町天皇の皇女で21歳になられていた智子内親王が、中継ぎ役として即位されました。これが第117代後桜町天皇です。
 女帝は在位7年の後、明和5年に11歳になられた英仁親王を皇太子に立て、2年後の明和7年に女帝31歳の時に譲位あらせられました。ところが在位9年目にして、後桃園天皇が22歳の若さで崩御されてしまい、生まれたばかりの欣子内親王殿下しかおられず、通常の形での継嗣は不可能になりました。
 天皇崩御の前々日、後桜町上皇は閑院宮家の9歳になれたばかりの祐宮様を「ご養子」(猶子)にする勅許を得、また欣子内親王を入内立后するようにされたのでした。更に、74歳で崩御されるまで、光格天皇の君徳養成の為に一方ならぬご配慮をなされたのでした。「日本史上最後の女帝は、譲位の後にも皇位継承の危機を救い、また朝権再興の中核となる光格天皇を育てあげた、まさに”国母”のような存在であったといえよう」(「皇位継承」文春新書)と評されるとおりのお方であられたと存じます。
 光格天皇からは今上天皇まで(光格、仁孝、孝明、明治、大正、昭和、今上)父子相承にて皇位継承はなされてきております。
 後桜町天皇の御事跡を省みるだけでも、皇位継承のことを軽々しく改変することなど、出来はしないことと、国民として気付かねばならないと思います。

5、何よりも、皇室の伝統のことについて何も知らない人たちが、国民の知らないところで、国民の叡智の結集もせず、当事者であられる皇室の方々のお声も無視して、2千有余年の伝統を勝手に変えようとする姿勢は、ニヒリストかヴァンダリストかと思います。世界中の物笑いの種になり、日本人の国際的な信頼は一気に底を突くことになるでしょう。下品な日本人ではなく日本人は下品だ、ということになり、日本人はものの価値もわからない最低の民族だ、ということになりましょう。

6、正統性の修復不可能の分裂が起こります。「女系」天皇は「男系」で見れば全く別の家系であり、すでに「皇統」ではありません。片や、「男系」の皇統に属する方がおわすわけですから、「天皇」位の権威は著しく低下することになります。そして、「女系」でも正統というグループと、「男系」でなければ「天皇」とは認められない、というグループに国論は二分し、収拾のつけようのない事態に陥ります。日本中を戦乱に陥れた「南北朝」の再現さえありうると言えるでしょう。国民統合の象徴としての「天皇」はなくなり、国柄は根底から崩壊させられることになるでしょう。革命派、共和制派などの暗躍もなされ、混乱の収拾には膨大な犠牲を覚悟しなければなりません。「女系」容認がどれほどのリスクを持つか、少し想像力を働かせれば誰にでもわかることだと思います。

以上、思いつくところで書きましたが、反天皇主義者はいざ知らず、ふつうの常識を持った女性の方々で、もしか気付かない方がいれば残念なことと思い書きました。

|

« 「長子優先」説に隠された罠 〜もし皇室典範がこのまま改正されれば、愛子様に施される「帝王学」は「ジェンダーフリー教育」になる!〜(皇室典範に関する有識者会議報告書 批判 その3) | トップページ | 必読!「天皇様、その血の重みーなぜ私は女系天皇に反対なのかー」(文藝春秋2月号) »

コメント

 そうでしたか(^^;

 確かに、さとしすさんに対してなら、「反天皇主義者」という”レッテル”も当りますかね。まあ、そう決め付けなくてもよいのかもしれませんが、「天皇」を大切に思う私のようなものと、「天皇」などどうでもよいと思う(そのように、ブログを拝見して思いました)さとしすさんのような方との対話も、決して成り立たないものではない、と思っておりますので、トラックバック(いつ、どのような経緯でかけたのか、忘れてしまいました)をそのままにして頂いて、ありがとうございます。

 読解力については大変失礼いたしました。日本女子大の先生でしたのですね。

「反天皇主義者はいざ知らず、ふつうの常識を持った女性の方々で、もしか気付かない方がいれば残念なことと思い書きました。」

 自分の文章ですが、「反天皇主義者」などというおどろおどろしい言葉を使ったことがそもそも間違いでしたね。これは「天皇主義者」という言葉と同じように内容空疎な攻撃の為の言葉だったかもしれません。

 「ふつうの常識」という言葉もよく判らない言葉ですね。ただ、とぼしい体験で言えば、「女性天皇」と「女系天皇」の違いについて、事実認識についての説明をするだけで、確かに「女系」は問題がある、と気付かれる方は、男女を問わず多いです。

 歴史的背景については「八人の女帝」という本などを読んでみました。主張の立場は違いますが所功氏の「皇位継承」も参考になりました。中川八洋氏の「皇統断絶」他一連の本も参考になりました。

 私は、日本という国は天皇がおわします国である、という風に思っております。有史以来そうであった、ということが未来永劫そうである、ということを保障するものではない、と言えばそうかも知れませんが、そうあって欲しいと願うことは許されるでしょう。そのような国に生まれたのだから、その意味についてじっくり考えて見ることは大切なことだと思っております。

投稿: 橘 正史 | 2006年6月 6日 (火) 午後 06時09分

勘違いな所にトラックバックかけてきた、あなたほどじゃないですけどね。
消さずに残してありますので、よろしく。

投稿: さとしす(satoshis) | 2006年6月 5日 (月) 午後 07時34分

「さとしす」さんという方は、文章を読む力が基本的にないのでしょうね。

投稿: 橘 正史 | 2006年1月16日 (月) 午後 08時35分

つまり、女系を認める女性は、常識のない、反天皇主義者呼ばわりってことですね。

投稿: さとしす(satoshis) | 2006年1月16日 (月) 午後 05時12分

智子内親王が21歳という若さで、皇統護持の為に中継ぎ天皇の位に着かれることを決意されたことは、本当にありがたいことと拝される。

それは、生涯独身を通すことを覚悟されることでもあり、通常の女性としての幸福を捨てることを意味したからである。

そのことだけでも、無私の伝統の体現者であらせられたことになる。

一個の人間として、女性としてのご覚悟、21歳の若い女性であられたことを忘れてはならないと思われる。

そのご決意を74歳で崩御されるまで、一貫して貫かれ、その間再度訪れた皇統の危機を見事に乗り切られた後桜町天皇という女帝のご存在は、皇統護持の歴史の中で忘れてはならないことと拝察されるのである。

明治の皇室典範で、女性天皇を禁止したことは、このような歴史を踏まえてのことであり、女性としての幸福追求を断念させることが前提となってしまう女帝の即位は、とても原則とすることは出来なかったのではなかろうか。

「女系」「長子」が揃うと、長子が女性であった場合「女系」継承となり、長子が男性であった場合「男系」継承となる。その次の長子が女性であれば「女系」に戻り、その次の長子が男性であれば「男系」になる、という形で、全くぐちゃぐちゃでわけがわからなくなるわけだ。「女系」なら「女系」で一貫する、というわけでもない。結局はどこの馬の骨かわからない存在に成り果てて、国民にとっても万世一系の皇位を失うという、取り返しのつかないことになるだ。

そんなことは、断じて許せない、というのが、私の思いである。

投稿: 橘 正史 | 2006年1月12日 (木) 午後 07時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/86795/8127905

この記事へのトラックバック一覧です: 「女性の方」に誤解して欲しくないこと。〜「女系」容認は女性尊重と何の関係もなく、「男系継承」は女性蔑視と何の関係もないということ。〜:

« 「長子優先」説に隠された罠 〜もし皇室典範がこのまま改正されれば、愛子様に施される「帝王学」は「ジェンダーフリー教育」になる!〜(皇室典範に関する有識者会議報告書 批判 その3) | トップページ | 必読!「天皇様、その血の重みーなぜ私は女系天皇に反対なのかー」(文藝春秋2月号) »