« 必読!「天皇様、その血の重みーなぜ私は女系天皇に反対なのかー」(文藝春秋2月号) | トップページ | えっ、自衛隊って、憲法に書いてないの?それって、おかしいんじゃない?? »

2006年1月15日 (日)

A級戦犯=曲学阿世の元凶/所功氏

「皇位継承のあり方”女性・母系天皇”は可能か」(PHP新書382 所功)が緊急出版された。氏の40年来の”恩師”だという皇學館大学教授の田中卓氏の強い勧めによるものとある。

ぱらぱらとめくって、10分後、床にたたきつけていた。腸が煮えくり返るとはこのことだ。
小泉内閣に、女系容認の悪知恵を授けたのは、この男か、と写真をにらみつけてやった。

所功氏の専門は法学であり、これまで様々な日本の伝統に関する著書を著してきたことも承知している。

氏は明確に意識しているのだ。「男系」による継承が2千年来の皇位継承の原則であったことを。そしていわゆる女系の導入が、その伝統の大転換であることを。だから、「母系」などという新語を新たにまた提出したのである。

それにしても、この本は、悪質である。

「皇統」「皇室」の定義を根本から変えようというのだ。定義を変えれば何とか形を整えることができる、そういっているに過ぎない。つまり、内実は関係ないのだ。こういう誤魔化しをあからさまに主張して恬として恥じない人種をなんといえばいいのか。

私は、氏の何十分の一も勉強はしていないだろう。眼を通すべき文献にすべて眼を通しているわけでもないと思う。しかし、勉強とか何とかいう前に、愛子様がご生誕になられた際、ある人と議論になったとき、愛子様がご即位されたとする。その次はどうするのか。配偶者たる人物との間に生まれた御子が、皇位継承をしたとしたら、「男系」の立場からすればそれは別の家系に移ることになる。そうなったとき、素直に天皇として仰げるのか、内心に問うてそれは否だ。また、国民一般の常識からしても、受け止め方は二つに分裂することになるだろう。それは「君徳」以前の問題である。「血統」の維持の問題であるからだ。皇統が男系による継承で維持されてきた以上、女系はすでに皇統ではありえず、万世一系の天皇の歴史はそこで終わるのだ。それでいいという人間は最早共に論ずるに足らない。

もちろん、ではどうするのか、皇統が絶えるのを座視せよというのか、という反論が当然帰ってくるだろう。何の努力もなく、可能性を一つ一つ潰していくしか能のないものが、忠義顔して言うのだ。占領軍に強制的に臣籍降下をさせられた旧宮家の皇籍復帰はあり得ない、と。国民感情にそぐわない、血縁としても遠すぎる、というのだ。だから、何の関係もない一般国民の子を、天皇として仰げというのか。ふざけるな、といいたい。

伏見宮家が40親等はなれるという。結構ではないか。少なくとも確実に系統をたどることが出来、しかもその間現皇統との距離が遠くならないための縁組を何度かにわたってしているのだ。そもそも今のような皇統の危機に際して儲けられた制度であり、役割なのであるから、血縁の遠さはこの際問題ではない。

「有識者」の連中が、あたかも現皇室の意を受けているかのように臭わせ、反論を封じようとしている姿勢は、それこそ自分らが否定する天皇の政治利用そのものではないか。しかも「誤解」を誘っておきながら「誤解」した方が悪い、ということになるようなやり方であり、ペテン師か詐欺師か、というやり方でしかない。

所氏の基本姿勢がわかる部分がある。この本の21ページに

「いうまでもなく憲法は「国家存立の基本的条件を定めた根本法」であり、法治国民ならばそれを遵守しなければならない。その現行憲法に、天皇は日本国・国民統合の象徴と位置づけられ、皇位は皇室の子孫が「世襲」すべきものとされている。だから我々は、その主旨に適合する法律などを用意して「世襲」の保持に努力しなければならない。」

つまり、このGHQが作成した現行憲法を全面的に容認し、その立場(つまり占領軍の立場)に立って日本を改造しなければならない、といっているのだ。

ああ、伝統尊重の仮面をかぶった占領軍の手先だったのか、と慨嘆せざるを得ない。

現行憲法は、その成立事情からしても到底日本の「根本法」足り得ないものである。しかも、憲法改正論議が愈愈政治日程に上がろうとしている今日、60年前の亡霊の如くに「占領軍」の意思をもって日本の慣習法としての根本法である皇位継承法を覆そうというのだから恐れ入る。

天皇が「象徴」足り得るのは、憲法の条文によるのではない。憲法の条文は、現代における皇位の解釈に過ぎない。皇位を日本国及び日本国民の統合の象徴と解釈するのは、現代法としての枠組みに過ぎない、しかしそれは「なぜ」を説明しないのである。なぜ皇位が「日本国及び日本国民統合の象徴」足り得るのか。その説明には、125代2666年に渡る歴史・文化・伝統の理解が必要なことは言うまでもない。憲法に「天皇」が規定されている以上、憲法はこの2666年の歴史・伝統・文化を踏まえたものであることは当然のことである。そして、「世襲」という言葉が、当然、皇統の歴史・伝統における継承法を踏まえた文言であると解釈するのが正統な解釈である。

占領軍の強圧の下につくられた憲法であっても、日本国の連続性を担保したものとしようとした先人の苦悩がそこにあるのであって、憲法の解釈には先人苦悩の跡を明瞭に汲み取っていくことが重要である。

かつまた、現在の憲法改正論議も、現在の状況の中で必要な変更ということも当然であるが、それ以上に、日本国本来の姿はどのようなものであるのか、という根底的な議論なくしてはあり得ないものである。国家契約説一辺倒の改正ならしないほうがましともいえる。

複雑な議論は必要ない。「女系」は天皇ではない。もし、そのような改変がなされるならば、私は、その「女系」が皇位を僭称することに対し、一生をかけて断固反対と糾弾の声を上げ続ける。

この議論は、女性の皇族が果たしておられる役割の大切さを否定しているのではない。そういう議論の混同を狙っての議論のすり替えを行うことは許されない。

|

« 必読!「天皇様、その血の重みーなぜ私は女系天皇に反対なのかー」(文藝春秋2月号) | トップページ | えっ、自衛隊って、憲法に書いてないの?それって、おかしいんじゃない?? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/86795/8176722

この記事へのトラックバック一覧です: A級戦犯=曲学阿世の元凶/所功氏:

« 必読!「天皇様、その血の重みーなぜ私は女系天皇に反対なのかー」(文藝春秋2月号) | トップページ | えっ、自衛隊って、憲法に書いてないの?それって、おかしいんじゃない?? »