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2005年4月21日 (木)

微笑を誘うエピソード〜ローマ人の物語より〜

 「勝者の混迷」の中に、生きているときは最も幸運で、死して後不運を蒙ったある人物、ルキウス・コルネリウス・スッラの、微笑を誘うエピソードが紹介されている。

「剣闘士の試合が行われていた競技場で、それを見物中のスッラの席の背後を通って自由席に行く途中の若い女が、スッラの背後を通りすぎるときに彼の肩に手をふれ、長衣(トーガ:ローマ人の普段着)から糸切れを抜きとってそのまま自席に歩み去った。その振る舞いにはさすがのスッラも驚き、思わずその女を見つめた。女は、席も立たずに、スッラを見返しながら言った。

「おかしな振舞いとお思いになってはいけませんわ。わたくしだって、あなたが恵まれつづけた幸運に、ほんの少しあやかりたいと願ってやったことですもの」

名門貴族ヴァレリウス一門に連なるこの女を、スッラは五度目の妻に迎えた。」

 このエピソードを紹介した後、「余談」として、「ニューヨーク物語」という映画の中で、成功した有名な画家に、その画家の作品の展覧会の受付でしかない若い女が一言一句変わらぬ言葉と振舞いをしていたことを、塩野さんは紹介して、「ヴァレリアの言動くらい、自身にあふれた成功した大物を、若さ以外は何ももたない女が”引っかける”のに有効な方法もない」と言っている。

 プルタルコス英雄伝に出てくる挿話らしいが、古典には、こんな「智恵(狡知?)」も盛り込まれているもので、歴史を学ぶ楽しみの一つでもある。これなどは、若い女性のための一挿話だが、カエサルはプレイボーイの名も高く、鳴らしている。逆のエピソードもさがして見ることも面白いかもしれないが・・・。

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