2008/01/26

「大義」 第六章 解党 杉本五郎中佐遺著

 聖徳太子憲法第一条「和ヲ以テ貴シト為シ、忤フコト無キヲ宗ト為ス。人皆党アリ。亦達者少シ。是ヲ以テ或ハ君父ニ順ハズ…」
 實に人皆党あり、軍閥・政党・学閥・宗閥・財閥・無産閥・権閥・乃至郷党あり。皆之れ党なり。各首領に従ひて党閥の拡張を之れ事として、殉皇の大義を滅却すること共に其の軌を一にす。
其の党首を以て主体となす所、機関説と同罪なり。況んや他国を模倣して 皇国を忘却する奴輩に至りては論外の一党にして、茲に引例するだに日本人として無限の屈辱を感ずれば除外す。
 党あり、達者少く、相争ふて、皇国の安危を度外視す。誠に臣は君に、子は父に従はざること皆靡々として然らざるなし。最も解脱を旨となす宗教を見るに、開祖を中心となす党閥にして、開祖の命に千鈞を感じ是れに忤はざらんとし、各宗各派相争ふこと世間見るが如し。即ち解脱に非ずして開祖の奴隷なり。見よ、日夜佛前に経を読むことを知るも、聖天子の詔を奉読奉戴するもの稀なり。尚以て宗教の日本化を高唱せんとするか。近時宗教家とし云へば、皆日本化を唱導す。然り而して 天皇陛下の尊像乃至名号を安置するもの極めて尠し。是を以ても日本化は表面を糊塗せんとする一方便に過ぎず。日本人は己の子すら私すべからず。 陛下の赤子として育て教へざるべからず。門人或は弟子として赤子を私するのみならず、不逞の思想を流布せんとする学閥、多数以て 大権を強奪せんとする政党、皇軍を私せんとする軍閥、 皇民・皇土・皇財を私せんとする財閥、君と臣の間を閉塞せんとする権閥、多数を以て対立抗争を之れ事とし、引いては独裁せんとする無産閥、 皇国を自己郷族を以て私せんとする郷党、皆悉く 聖天子の賊なり。速かに党を解け、而して 聖天子に帰一帰命せしむる為めの総べては方便門なりとの自覺に立ち返れ。
 大道は無門、  千差路あり、
 此関を透得せば、乾坤に独歩せん、
乾坤独歩の大自在底の大丈夫児にして、始めて 君臣一如の當体を見得することを得るなり。   大道は長安に通ずるも、長安に止まるべからず。更に竿灯離れ難き歩一歩を進めて、萬古 天皇を仰げ。党は雲散霧消し去らんのみ。
大丈夫憂ふる所は 皇国の安危、撰ぶ所は、大義のみ。
 橘曙覧先生歌
  皇国の御ためをはかるほかに何
         することありて世の中に立つ
                 (昭和十一、九、九)

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2008/01/13

大義  第五章 皇道

 皇道とは 天皇の歩ませ給ふ大道なり。 故に億兆共に歩むべき大道なり。

至正至純は 天皇の實相にして、宇宙最高の大道なり。

 明治天皇御製

  浅緑澄み渡りたる大空の 廣きを己が心ともがな

是れ正に天地と同根、萬物と一体、至正至純なる 天皇の御姿なり。

此の至正至純の大御心より流露し来るものは

 明治天皇御宸翰の一節

 「天下億兆一人モ其所ヲ得ザルトキハ皆朕ガ罪ナレバ今日ノ事朕自ラ身骨ヲ労シ心志ヲ苦メ艱難ノ先ニ立チ」との大慈悲なり。

至正至純なるが故に大慈悲なり。大慈悲なるが故に至正至純なり。

佛心者大慈悲是れなり。佛とは執着繁縛なきをいふ。執着繁縛なきが故に「浅緑澄み渡りたる大空の廣き」と同大にして大慈悲なり。大慈悲なき無執着無繁縛なるはなく、誠に至正至純は、宇宙の大と無限の慈とを兼ねたる宇宙最高の大道なり。世界指導の根本原理は實に此の 天皇道なり。民亦繁縛なく至正至純ならば 天皇と不二一体、君民一如なり。此の 天皇道こそ悉く以て依るべき大道に非ずや。人類救済の秘鍵に非ずや。唯一無二の避難所に非ずや。萬古 天皇を仰ぎ、兆民相率ゐて驀直に 天皇道を進前せよ。怒涛襲ひかかるとも、鉄火に焼かるるとも、萬邦競ひ來るとも、莫妄想一途に 天皇道を直進せよ。 是れ神国顕現の最良最短の直道なり。

 世界の聖者説く所悉く是れ 天皇道なり。至正至純と純一無雑と混同する勿れ。 北条高時に殉じたる八百人の家臣も、同仲時に殉じたる四百人も、将又北条義時に孝養を盡くしたる泰時も、将軍足利及び徳川に殉じたる家臣も、乃至美濃部達吉・北一輝及其学徒一党も純一無雑の心境なる点に於て或は特筆すべきも、決して至正至純には非ず。純一無雑の大不忠なり。至正至純は 天皇なり。 天皇に殉ずるもののみ至正至純なり。即ち忠なり。即ち孝なり。

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2007/09/20

「大義」 杉本五郎中佐 遺著 「第四章 神国の大理想」

第四章  神国の大理想

 「養正ノヲ弘メ、六合ヲ兼ネテ都ヲ開キ、八紘ヲ一宇トナサン」の
神武天皇の大宣言、 「四方ヲ経営シ万里ノ波濤ヲ開拓シテ、天下ヲ富岳ノ安キニ置カン」の 明治天皇の大信念、共に共に神国日本建立以来の大理想なり。山川草木悉皆靡々として靡かざるなき 聖天子の眞姿顕現こそは、人類救済の根基なり。八紘一宇の大理想実現の前に、先づ国に
聖天子の眞姿顕現を計らざるべからず。これなくして何の神国、何の人類救済ぞ。 天皇に帰命し奉れ。然れども万人悉く 天皇に帰一し奉ることの困難なることは、茲に喋々を要せず。各方面に於ける権威者・枢機参画者にして、君臣一体の実を把握しあらば(其の体験に厚薄深浅はあれ)、燎原の火の如く国内に瀰漫すること、換言すれば、其の程度に厚薄深浅はあれ、万人万古  天皇を仰ぎ奉るに到ること明白なり。

 否々、大楠公の笠置山に於ける「正成一人だに生きてありと聞召さば、聖運必ず開かるべしと思召し候へ」と奏上せることを思へ。一人にて沢山なり。一人だに大透徹しあらば、心火に依り悉皆焼了し終らんのみ。

 身は是れ神国、心は是れ大御心、脚跟下是れ高天原、神想具現に聖旗を進めん。

 「四海ノ内誰カ朕ガ赤子ニ非ザル」又「罪アラバ我ヲ咎メヨ天津神、民ハ吾身ノ生ミシ子ナレバ」の歴代 天皇絶対無限の大慈悲は「一切衆生成仏せずんば我正覚をとらじ」の法蔵菩薩の四十八の大誓願となつて現れ、将又十字架上に於ける「キリスト」の贖罪の悲願となり、人類救済こそは、歴代 天皇の念願にして、肇国の大理想なり。

 釈迦もキリストも孔子もソクラテスも 天皇の赤子なり。八紘一宇顕現の機関的存在なり。世界を救うて 天皇国となすこと実に 皇民の大使命なり。此の聖戦途上鉄火に焼かるる何の恐るる所ぞ。元来 皇国に領土なし。現在の国土は 皇威の及べる地域のみ。

 (或は曰く「四囲皆敵なり、内騒ぐ時に非ず」と。 天皇精神発動による戦争は領土拡張に非ず、人類救済なり。皇威を冒涜するもの内外共に敵賊なり、共に滅すべし。)

 皇国元来無一物、人類各々其の所を得て安穏なれば、皇国皇民の大使命は終んぬるのみ。国各々眞の平和を得て永く其の慶びを楽しめば、皇国の大理想は了したりといふべし。世界一家の達成は 天皇道に依るあるのみ。我国体こそは宇宙最高の道徳否宗教なり。世界を救ひ得る唯一無二の大眞理なり。国号「日本」を三思せよ。「太陽」を国旗となす大信念を省察せよ。 天皇を「天津日嗣」と申し奉る正に千省万思せよ。 皇国の大理想自ら明らかなるべし。

   橘 曙覧先生歌

一 一日生きば一日心を大皇の
        みためにつくす我が家のかぜ

二 大皇の勅にそむく奴等の
        首引き抜いて八つもてかへれ

三 大皇にそむける者は天地に
        入れざる罪ぞ打つて粉にせよ

四 国汚す奴あらばと太刀抜いて
        仇にもあらぬ壁に物いふ
             (昭和一一年、八、二五)

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「大義」 杉本五郎中佐 遺著 「第三章 「無」の自覚到達の大道」

第三章  「無」の自覚到達の大道

 元来宗教・教育・藝術・武道・文学等凡百のもの悉く「無」に到るの道ならざるはなし。

 即ち寸毫も余す所なく「我」を捨て去る手段なり。 無に到るの部分は此の如く多種多様なるも、共通の根本道は唯一つ「人境不二」の道是れなり。換言すれば、境其物に成り切る境に没入一体化する無雑純一となること是れなり。時に日に月に此の訓練を重ねたる時、遂に人境共に無き無一物の境、否、無一物も亦なき絶対無の当体に到達すべし。

    眞 忠 忘 忠 念 々 是 忠 故 (眞忠ハ忠ヲ忘ル 念々是レ忠ナルガ故ニ)

    眞 孝 忘 孝 念 々 是 孝 故 (眞孝ハ孝ヲ忘ル 念々是レ孝ナルガ故ニ)

味ふべき此の一句。

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「大義」 杉本五郎中佐 遺著 「第二章 道徳」

第二章  道徳

 天皇の大御心に合ふ如く、「私」を去りて行為する、是れ日本人の道徳なり。 天皇の御意志・大御心とは如何なるものなりや。 御歴代皇祖皇宗の御詔勅、皆是れ大御心の発露に外ならず。別けて 明治天皇の教育勅語は、最も明白に示されたる 大御心の代表的なるものと拝察し奉る。換言すれば、 天皇の御意志は教育勅語に直截簡明に示されてある故に、教育勅語の御精神に合ふ如く「私」を去りて行為すること、即ち日本人の道徳なり。而して此の御勅語の大精神は「天壌無窮ノ皇運扶翼」にして、個人道徳の完成に非ず。

 天皇の御守護には、老若男女を問わず。貴賎貧富に拘らず、斉しく馳せ参じ、以て死を鴻毛の軽きに比すること、是れ即ち日本人道徳完成の道なり。 天皇の御為に死すること是れ即ち道徳完成なり。此の理を換言すれば、 天皇の御前には自己は「無」なりとの自覚なり。「無」なるが故に億兆は一体なり。 天皇と同心一体なるが故に、吾々の日々の生活行為は悉く 皇作 皇業となる。 是れ日本人の道徳生活なり。而して日本人の道徳生活必須先決の条件は、「無」なりの自覚に到達することなり。
   橘曙覧先生歌
      大網と天つ日継を先づ取りて
           もろもろの目をあむ国と知れ

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2007/09/18

「大義」 杉本五郎中佐 遺書 「第一章 天皇」

第一章 天皇

天皇は 天照大御神と同一身にましまし、宇宙最高の唯一伸、宇宙統治の最高神。国憲・国法・宗教・道徳・学問・藝術乃至凡百の諸道悉皆 天皇に帰一せしむるための方便門なり。即ち 天皇は絶対にましまし、自己は無なりの自覺に到らしむるもの、諸道諸学の最大使命なり。無なるが故に、宇宙悉く 天皇の顕現にして、大にしては上三十三天、下奈落の極底を貫き、横に盡十方に亘る姿となり、小にしては、森羅万象 天皇の御姿ならざるはなく、垣根に喞(すだ)く虫の音も、そよと吹く春の小風も皆 天皇の顕現ならざるなし。

釈迦を信じ、「キリスト」を仰ぎ、孔子を尊ぶの迂愚を止めよ。宇宙一神、最高の真理具現者 天皇を仰信せよ。万古 天皇を仰げ。

日本臣民は自己の救済を目的とせずして、皇威伸張を目的とせざるべからず。勿論自己は 皇威に於て救はる。然れども救はれんがために 皇威伸張を念願するにあらず。 天皇の御前には自己は無なり。君臣一如の自己尊きにあらず。自己に体現せられたる 天皇の尊きなり。

天皇への修養即ち忠は、飽く迄も 天皇其れ自体のためならざるべからず。悉皆無所得々々々々々、 天皇は人生のためのものにあらず、人生、 天皇のためのものなり。大楠公の歌へる

    身のために君を思ふは二心(ふたごころ)
         君のためには身をも思はじ

天皇は国家のためのものにあらず、国家は 天皇のためにあり。

此の大自覺は、世上的価値を倒換して、永遠悠久の 天皇に唯一最高の価値を認むる時、単純極めて明白に現れ来る。魂の救ひ永遠の幸福が究竟の目的ならば、 天皇は手段方便にして最高の存在に非ず。自己の学殖・職業乃至生活程度によりて、尊皇の程度に上下あらば、其は自己中心の人物なり。唯々身心を捨て果てゝ、更に何物をも望むことなく、只管に 天皇に帰一せよ。

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「大義」 杉本五郎中佐 遺書 「目録」

杉本中佐遺稿大義目録

緒言

第一章  天皇
第二章  道徳
第三章  「無」の自覺到達の大道
第四章  神国の大理想
第五章  皇道
第六章  解党
第七章  生活原則
第八章  七生滅賊
第九章  国防
第十章  第一等の人物
第十一章 維新
第十二章 神勅
第十三章 信仰
第十四章 大命
第十五章 神社
第十六章 高天原

陣中遺稿
第十七章 戦争
第十八章 皇国民の定義
第十九章 行
第二十章 死生観 

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「大義」 杉本五郎中佐 遺書  「緒言」

吾児孫の以て依るべき大道を直指す。名利何んするものぞ、地位何物ぞ、断じて名聞利慾の奴となる勿れ。

士道、義より大なるはなく、義は 君臣を以て最大となす。出処進退総て 大義を本とせよ。大義を以て胸間に掛在せずんば、児孫と称することを許さず。一把茅底折却鐺内に野菜根を煮て喫して日を過すとも、専一に 大義を究明する底は、吾と相見報恩底の児孫なり。

孝たらんとせば、大義に透徹せよ。

大義に透徹せんと要せば、須く先づ禅教に入つて我執を去れ。若し根器堪へずんば、他の宗乗に依れ。戒むらくは宗域に止まつて奴となる勿れ。唯々我執を去るを専要とす。

次に願はくは、必死以て 大義擁護の後嗣を造れ。而して其は汝子孫に求むるを最良とし、縁なきも大乗根器の大士ならば次策とす。一箇忠烈に死して、後世をして憤起せしむるは止むを得ざるの下策と知れ。宜しく大乗的忠の権化、楠子を範とせよ。

歳々大義の滅し去ること、掌を指すよりも明白なり。汝等 大義の章々を熟読体得し、協力一致、大義護持以て 皇国を富岳の安きに置き、
聖慮を安んじ奉れ。    至嘱々々

                        父 五郎
正 殿 外
   兄弟一統

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