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2010/02/14

伴林光平の和歌  ~その4~  冬の部

   杜初冬
神垣にしづがをしねもとりかけて田中のもりは冬さびにけり

   落葉
木がくれをかよふ筧の水おともかつ埋もれて散る紅葉かな

   霧夜散歩
かれのこる野づらの菊の香を清み霜夜の月にいくかへりしつ

   雪中若菜
埋もれし御陵のあとをとめがてら長野のわか菜雪に摘ままし

冬がれの宇陀の血原のゆふかぜに友まつしぎの聲のかなしき

   落雁
霜ぐもりかぎりも知らぬ大空をいやしくしくに雁のゆく夜か

   冬の歌の中に
咲きそめて雪はづかしき白菊も仇なるいろにうつりゆく世や

松にのみ嵐は見えて小野原の枯生しづかに照る月夜かな

   寒夜
たらちねの心づくしの綿くぬをまきてしぬれば寒き夜もなし

   歳暮雪
けぬが上にふれふれ深雪ゆく年も道わかずとてかへりくるがに

雑の歌
   天
浮雲はたちまよへども大空の廣きこころはかくれざりけり

   日
天てらし六合てらします日の御かげをがめ人々朝な夕なに

   虹
はしもとをわがたち來れば山崎の松より上に虹たてり見ゆ

   雷
いかばかり神やいかれる天つちの裂けばさけよと鳴りぞはためく

   笠
大君のみくらになびくきぬ笠はあめの下をばおほふなりけり

   筆
春日野の鹿のなつ毛の筆とりて天津のりとはかきもつらねむ

もてならす筆の和毛のにこやかに笑みかはしつつ吾世つくさむ

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