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2007/07/08

有馬新七の歌  其の壱

梓弓春立つ風に大君の御代引きかへす時は来にけり

鳴神の持てる斧われ得てしかも醜のまこ臣討ちてし止まむ

   水戸の殿人鮎澤伊太夫、征夷府の家人勝野豊作等の人々も集来て
   夜もすがら酒飲みかはし、天下の形勢を深切に物語しつ寅の刻比宿
   を立出でぬ。都に行かまほしく
鳥が啼く東の空ゆ飛ぶ鷹の翼をかもよかけりても行かむ

   袖が浦てふ所にて吹風いと寒かりければ
獨り行く旅の夜嵐烈しくて露置きまさる袖の浦波

いつしかと身にしむ秋の風寒みちぢに心をくだく比かな

   衣類を背負ひて、名に負ふ箱根の路の嶮岨を越行くも最と苦し。瀧の
   音、鹿の聲、打ちこめたる深山の秋風、身にしみて甚と物悽愴し。
白雲をわけつつのぼる箱根路のふたこの山の秋のさびしさ

   辛ふじて嶮岨を越へたり
箱根山さかしき路も大君の御心思へば安くぞありける

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