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2005/05/12

「大東亜戦争殉難遺詠集」 桜花集―戦没者遺詠集― (12)

板橋 泰夫

 昭和二十年八月九日、神風特別攻撃隊第四御盾隊として金華山東方洋上にて特攻戦死。享年二十一歳。海軍甲種飛行予科練習生第八期。(福島県)

敵見ゆと初電は入りぬ基地は今爆音天と地とに轟く

   攻撃より帰りて
黄昏の影踏み集ふ食卓に伏せたる椀の多くあるかな

   征く戦友を送る
焼きつくる翼に立ちて轟沈と破顔一笑戦友は征きたり

亡き数に入らせし戦友のみ名を連ね正行のごと我も征かばや

おもかげはさやかに顕てり今は早や神鎮まれる戦友にしあれど

   地上整備員
降り立てば故障ありやと飛び付ける整備科員に首下りぬ

ひむがしの空ほのぼのと白み来て夜間整備は今終れりと聞く

   陸戦隊
洞窟にしたたる水を水筒に今宵夜襲へ兵は出で立つ

軍艦旗はいづくぞと問ふ兵の深傷の声に起きて坐りぬ

今宵又敵の戦車に地雷抱き体当りせし兵のありしと

   辞世
血汐もて茜と染むも悔ゆるまじ雲をねぐらの空の御盾は

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